カリスマトレーダー池辺雪子 億の極意

菅首相の退陣表明後に高値更新 政権支持率と株価はどこまで相関するか

菅首相の退陣表明後に日経平均は高値更新

菅首相の退陣表明後に日経平均は高値更新

 8月下旬には2万7000円台で推移していた日経平均株価は、9月3日に菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明してから、わずか数日で3万円台まで上昇した。ここまで日経平均が急反発した要因は何だろうか。一連の相場変動についてカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが過去の首相支持率と株価の相関を踏まえて、解説する。

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 菅首相が自民党総裁選の不出馬を発表してから日本株は軒並み上昇し、日経平均は一時バブル崩壊後31年ぶりの高値を更新しました。菅首相は「辞めたら株価が上がる」という事実をどう受け止めているのでしょうか。

 このように勢いよく上昇した日経平均ですが、市場関係者の中には一旦下落する可能性を指摘する人もいます。それでも個人的には長期の強気目線は変えていません。まずは3万1000円から3万2000円あたりを目指す展開が予想されます。

 菅首相の支持率は総裁選不出馬を表明する前から低迷し続けていたものの、金融緩和政策の影響もあってか、株価はなんとか持ち堪えていました。それにしても総裁選不出馬が報道されて以降、これだけ上昇するということは、現政権の政策を踏まえて、株を買えなかった人も少なからずいたことがわかります。もっとも足元の上昇は、次の首相に対する期待値も含まれた動きなので、次期政権に問題がありそうなら、株価は反落してしまう可能性も否めません。

 ところで過去の首相支持率を振り返ると、株価と相関しているケースも多いです。海外投資家は政権支持率をチェックしており、政権の安定度合いなどを見て、株を買うかどうか判断するケースもあります。今回も次期首相への期待を込めて、海外投資家のフローが入ったと見てよいと思います。

 もっとも橋本政権や細川政権、小渕政権などでは、支持率と株価は連動していたように記憶していますが、小泉政権の時は相関がそれほど感じられませんでした。また、リーマンショック以降は、金融緩和策が導入されたことも大きい。日銀によるETF(上場投資信託)などの金融資産買い入れにより、支持率が低下しても株価に影響しづらくなっている面もあると思います。その時々の政治・経済情勢、市場環境により、これまで成立していた相関性が突如として崩れるのは投資の世界によくあることなので、売買の判断には常に柔軟性を持ち合わせておくようにしましょう。

 私が数十年と様々な相場を見てきた結果、やはり精緻なエントリーポイントを探るにはテクニカル分析が最適であると実感しています。投資初心者の方も取引の参考にテクニカル分析を取り入れてみてはいかがでしょう。

【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/

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