“有線化”は家電にも及んでいる。アパレルで働く30代の女性・Cさんは、約3年使っていたコードレスタイプの掃除機から昔ながらのコード付きのものに買い替えたそうだ。なぜなのか。
「吸引力の低下やバッテリー切れの心配もあったし、何よりコードレスタイプはコード付きのものより手で持たなくてはいけない部分が重たく、案外ダルい。コードは邪魔だと思っていましたが、吸引力優先で昔ながらのコード付きの掃除機にしたら、ガンガン吸ってくれるし、バッテリーの心配もなく快適に掃除できました。
もしコードレス掃除機を使うなら、戸建てや何部屋かある広めの家で、セカンド掃除機としての利用がベストだと感じました。コード付きはハンディタイプのものを持っておいて、何かパパッと部分的に掃除する時だけ使う感じです」(Cさん)
ワイヤレスイヤフォンで感じたストレス
ワイヤレスイヤフォンから有線イヤフォンに戻った人もいる。人材紹介会社で働く20代男性・Dさんだ。
「自宅では有線イヤフォンを使っていましたが、外出時に眼鏡にマスク、有線のイヤフォンだと、からまって大変だったので、ワイヤレスイヤフォンを購入しました。当初はコードレスの快適さに感動しましたが、充電が面倒なことにくわえ、Bluetoothに繋がってなくて音楽が外部に漏れていないか心配になったりと、違うストレスが生まれるようになりました。なにより電車の中で落としてしまうのが怖い。
あと僕が買ったワイヤレスイヤフォンだと、音楽ゲームをする時に、曲もタップ音も遅れてくる“音ズレ”が起きてしまいプレイしづらいのが致命的でした。有線ならそんなことはないし、電車の中で落としてしまう心配もほとんどない。ストレスの総合量を勘案した結果、室内も室外も有線イヤフォンになりました」(Dさん)
最先端の無線生活を体験したうえで、従来の有線の安心感にあらためて気づいた人もいるようだ。