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災害後に修理業者との「保険」を巡るトラブルが急増 悪徳業者の見分け方

2020年度は「保険詐欺」の被害相談が倍増

2020年度は「保険詐欺」の被害相談が倍増

クーリングオフできない!?

 保険会社だけが損失を強いられている構図にも見えるが、「最近は契約者にとっても厄介なケースが増えてきた」と前出の造力氏が言う。

「今まではクーリングオフなどで難を逃れることができていた契約者にとっても、インターネット上で契約を行なう場合には、クーリングオフによる解除ができない場合があるので注意をする必要があります」

 損害保険ジャパン保険金サービス企画部の佐々木敬氏も警鐘を鳴らす。

「SNSやYouTubeなどで、契約者に不正請求を持ちかけるノウハウをシェアしたり、動画から申請サポートを受け付けるサイトに誘導するケースが見受けられます。

 我々としては、本来の保険の目的である“お客様が被害の復旧をするのに必要な金額をお支払いする”ことを第一に考えています。保険請求のために業者に高額な手数料を支払うことで本来の修理ができないといったことを懸念しています」

 保険金の使い道を厳密に問われない状況があるために“悪いヤツらが付けいる隙”ができたわけだが、本来、修理などに活用するのが保険金の目的であるのは当然のことだ。「自分だけが良ければいい」というわけにはいかないのだ。

 それでは、悪徳業者に引っ掛からないための見分け方はあるのか。前出の造力氏が解説する。

「複数の業者による相見積もりを認めず、『(見積もり後に)工事を別の会社にするなら見積もりとコンサル料として保険金の3割を支払え』などと主張する業者にはまず注意です。

 なかには故意に壊して保険請求をする『壊しの業者』とも言える業者がいるのですが、彼らは『近くで仕事していたらお宅の屋根が見えて、てっぺんが剥がれているようなので少し確認させてください』と持ちかけてくるパターンが多い。これは定型句のように多くの業者が口にします。そして、屋根に上り一部を剥がして写真を撮影した上で元に戻す。撮影した写真を家主に見せて『台風で壊れた部分が見つかりました。とりあえず応急処置しておきましたが、保険請求をしたほうがいいですね』と促す。こういった業者にも注意しましょう」

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