住まい・不動産

家の隣が資材置き場になって「砂ぼこり」で洗濯物が干せない! 解決策は?

このままでは洗濯物を干すこともできない…(イラスト/大野文彰)

このままでは洗濯物を干すこともできない…(イラスト/大野文彰)

 簡単には解決できないことが多い「隣人トラブル」。もしも家の隣に資材置き場ができて、砂ぼこりのせいで洗濯物が汚れるようになった場合、どうすればいいのだろうか。実際の相談に回答する形で、竹下正己弁護士が解決策を教えてくれた。

【相談】
 3か月ほど前に、うちの隣が建設業者の資材置き場になりました。たびたびトラックが出入りしていますが、そのたびに砂ぼこりが舞い上がり、うちの洗濯物が汚れるので困っています。建設業者に苦情を言ったところ、「気をつけます」と言うだけで一向に改善されません。このままでは洗濯物を干すこともできません。どうしたらよいでしょうか。(57才・女性)

【回答】
 資材置き場は法令に違反しなければ持ち主が自由に利用できます。砂ぼこりをまき散らすトラックや資材置き場の利用を直接規制する法律はありません。

 大気汚染防止法が粉じんを規制していますが、そもそも粉じんがカドミウム等の有害物質でない場合には、粉じんを発生・排出、または飛散させる原因が焼却炉などの政令で特定される施設であることが要件です。単なる資材置場は含まれません。

 生活環境保護の基本方針を定める環境基本法は、事業活動による大気汚染等で人の健康または生活環境に係る被害が生ずることを公害と定義し、事業者に公害防止等の責務があるとしています。そして、自治体には環境保全のために区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定・実施する責務を課しています。

 たとえば東京都では、100平方メートル以上の資材置き場で基準以上の粉じんを出すことを規制していますが、顔料や塩化アンモニアを主成分とする粉じんが対象となっており、砂ぼこりは対象外です。

 以上のように、特別な法律に基づいて規制を求めることは困難です。とはいえ、資材置き場の利用が持ち主の自由といっても社会経済活動を営む以上、周囲に迷惑をかけない配慮は当然必要です。

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