10月から緊急事態宣言が「全面解除」となり、徐々に日常を取り戻しつつある昨今。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み感染リスクが減るなかで、気になるのは「結局何ができるようになるのか」だ。スポーツや音楽に関するイベントは、もうなっていくのだろうか。
プロ野球やJリーグでは今後、ワクチン接種証明やコロナ陰性証明書を提示した人を別枠として、入場人数を増やす予定だと発表されている。しかし、海外のように満員のスタジアムで応援できる日はまだ先になりそうだ。
「大声を出すことはやはり感染リスクが高いことがわかっている。野球やサッカー、競馬などの観戦は、今までと同様に歓声を控え、マスクをして静かに応援する形が求められます」(名古屋市衛生研究所微生物部長の柴田伸一郎氏)
イギリスでは今年の6~7月に開催されたサッカーのヨーロッパ選手権で、規制なしで計35万人の観客を入れて感染がどれほど広がるかを検証した。結果、6400人の感染者が出たと発表され、その感染率の高さに世界が驚いた。音楽ライブはどうか。医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が語る。
「先日あるアーティストのライブに行ったんですが、観客の気持ちが高ぶっても、ステージの上から『みんなマスクを着けてますかー』『声を出しちゃだめだよ』と呼びかけていた。先日の愛知のヒップホップフェスは酒類を出して問題になりましたが、千葉のフェスでは鼻マスクですら係員が注意していたくらい対策に力を入れていた。マスクして声を出さないことを徹底すれば、参加しても問題はないでしょう。
映画館やクラシックのコンサートなど、もともと観客が歓声を上げることのないイベントは、席の間隔が空けられ、換気が十分にされていれば、それほど神経質になる必要はありません」