アイドルというと、華やかで衣食住に恵まれた生活を送っているイメージがあるが、そうしたタイプばかりではない──。生まれてこのかた、80万円以上の貯金があったことがないという女性セブンの“オバ記者”こと野原広子さん(64才)が、メロン記念日の元メンバー・大谷雅恵さん(39才)を迎えて、お金に関するトークを展開した。手元にあるお金はすぐ使ってしまうという大谷さんは、貯金やお金を繰り越すという金銭感覚があまりないとか。だから対面早々、オバ記者と意気投合し──。(前後編の前編)
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オバ:アイドルとオバ記者という組み合わせも不思議な気がするけど……いつ頃から芸能界を意識していたの? ご出身は北海道でしたっけ?
大谷:歌手になりたくて、中学校を卒業したら上京したいと思っていました。母と姉の3人暮らしで、中学を卒業してからは時給530円のコンビニでアルバイトをして、オーディションを受けに行く交通費を貯めていました。
オバ:東京だったらバイトでそれなりに稼げるけど、地方だと時給がそれほど高くないから大変だったでしょ。でも、コツコツと堅実だったのね。
大谷:いえ、そうとも言えなくて……たとえばバイト代が3万円入ったとしたら、オーディションに1万円使って、あとの2万円は雑誌や音楽CDを買うのに回しちゃう。手元のお金をどう使おうかとまず考える性格なので、貯金をしたり翌月に繰り越そうという考えがないんです。
オバ:貯金という意識がない。
大谷:貯金って、いつか何かのために取っておくものだと思うんですけど、そのいつかは、どうにでもなると思っていて……。
オバ:同感! 貧乏人のお金は忙しいのよ。留まっているお金なんかあるわけない。ヘタに確保しておくとね、返済という名の下にどこかに持っていかれちゃう可能性もあるわけよ(笑い)。
大谷:わかります。私は銀行にお金を預けておけないんですよ。お給料が入ったらすぐに引き出して、「これだけ稼いだぞ」っていうのを実感したいんです。
オバ:量で実感したいんだよね。目方でね。
大谷:気づいたら残高ゼロになっていたというのではなく、通帳の残高はずーっとゼロ。
いま、タイダイ柄(*)の服や小物を中心に販売するオンラインショップを開いているんですけど、入金があるたびに必ずおろします。私の作ったTシャツがお金に変わった姿を見たいんですよ。
【*「タイダイ」は英語で、「Tie dye(タイ・ダイ)」。「tie=縛る」「dye=染める」という意味があり、染料につける際、布のいろいろな部位を縛って染め上げる。1枚ずつ手作業で縛るので、まったく同じ柄のものはない】
オバ:わかるなぁ(笑い)。