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ナショナルブランド目指さぬ「シウマイ」の崎陽軒 行楽需要激減の中での活路

横浜駅中央通路にある崎陽軒

横浜駅中央通路にある崎陽軒

──言われてみれば“内需”中心の観光地です。

野並:とはいえ、インバウンド需要は無視できません。そこで昨年8月、台北の駅構内に出店しました。

 もちろん、台湾の方に崎陽軒のシウマイを味わっていただこうという思いもあったのですが、台湾で認知度を得ることによって、日本に旅行で来られた時に“本場のシウマイ弁当”を食べていただけるのではないかという狙いもあります。台湾には昔、日本から駅弁文化が輸出されたこともありましたから、我々の商品も馴染みやすいと考えたわけです。

 平松さんが例に挙げたアルゼンチンタンゴのように、シウマイという「横浜のローカルフード」が世界に愛されるような商品づくりをさらに進めていきます。

【プロフィール】
野並直文(のなみ・なおぶみ)/1949年生まれ。1971年、慶應義塾大学卒業。1972年に崎陽軒入社。1979年に取締役就任、常務、専務などを経て1991年に社長就任、現在に至る。初代社長は祖父の茂吉氏、2代社長は父の豊氏。

【聞き手】
河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2021年10月15・22日号

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