片開きと観音開きについて、ある家電量販店スタッフはこう説明する。
「基本的には、観音開きは大容量タイプのもので採用されている設計です。400リットル台の冷蔵庫なら片側開きのものもたくさんありますが、500リットル以上という大容量タイプのものになると、扉の重量が出てくることもあって、観音開きが多くなってきます」
背が低くて上段に届かない落とし穴
夫婦の身長差から、冷蔵庫の使い勝手に差が出るケースもある。30代の女性・Bさん(メーカー勤務、神奈川県在住)の夫は身長176cm、自身は148cmと、かなりの身長差がある。
「あまり深く考えず、大きくてスタイリッシュな冷蔵庫がかっこいいと思って、新婚当初に買いました。でも容量が大きい分、高さもあるので、上段に食品を置きにくい。置いたが最後、何を置いたか分からなくなって、そのまま腐らせてしまったりすることもあります。今では、上のほうには夫が私に食べられたくないものを入れているみたいです(笑)」(Bさん)
なお、前出・家電量販店スタッフによれば、この「上段のものを取り出しにくい」という問題は「確かにある」という。
「なかには、通常は野菜室にあるようなコンプレッサーを上部に配置することで、あえて最上段の奥行きを短くしているものもあります。そうすることで、最上段の奥が見えないとか、ものが取り出しにくいという悩みを解消してくれるわけですね。冷蔵庫選びは容量やライフスタイルによる視点も大切ですが、使う人の体格も大事なポイントです」(家電量販店スタッフ)
正解がわからない「野菜室の位置問題」
40代の女性・Cさん(都内在住、デザイナー)は、最近、20万円ほどで冷蔵庫を買い替えたばかりだが、野菜室の位置はどこにあると使いやすいのか「いまだにわからない」という。以前は野菜室が一番下のものを使っており、今回は真ん中にあるタイプだ。
「私は野菜室をよく使うので、一番下だとわざわざかがまなくてはならず、面倒だなと思っていました。その反省を踏まえて、野菜室が真ん中にある冷蔵庫に買い替えたんです。自動的にメイン冷凍室はいちばん下になりますが、そうすると、冷凍室に一度入れるともう取り出さなくなるものが増えた気がします……。慣れだと思いますが、野菜室と冷凍室の位置は悩ましいですね」(Cさん)
またCさんの購入した冷蔵庫は、扉の素材が強化ガラスだったため、マグネットがつかなかった。
「ストレスとまではいきませんが、それまで当たり前だったことが当たり前じゃなくなっていたのは驚きました。それほどいろいろ貼り付けたいわけではありませんが、ちょっとしたメニューを書いたメモなど、やっぱり貼れたらいいのに……と思うことはあります」(Cさん)