小規模店から大規模店、高級店や“業務用”など、多種多様なスーパーマーケットが群雄割拠する“スーパー戦国時代”といえる今の時代。他店と差別化できるサービスやシステム、プライベートブランド(以下PB)が開発されている。
ショッピングアドバイザーの今野保さんによると、「1980年代には “安価な二番煎じ品”などといわれたPBですが、どのスーパーもPB開発に力を入れるようになった結果、PBだからこそ安心して買えると、消費者の意識が変わってきています」という。
各スーパーの魅力と最前線を解剖するシリーズ、今回は総合スーパーでは最多店舗数を誇るイオンを取り上げる。
「イオンの魅力は、なんといっても品ぞろえです」とは、イオンの経営企画本部広報部の大瀧和孝さんだ(「」内、以下同)。その言葉通り、広い店内には多様な商品が陳列されている。なかでもイオンのPB 「TOPVALU(トップバリュ)」は、その品数の多さに驚かされる。
「トップバリュは、赤・緑・黄色などとラベルの色によってコンセプトが違います。赤は完全オリジナル品、緑は素材にこだわった逸品、黄色は満足品質なのに低価格なものになっています」
PBといえば、安さばかりクローズアップされがちだが、用途別に色分けしているのはイオンならではだ。また、イオン独自の取り組みとして2020年3月から、レジに並ばずに精算できるアプリ「どこでもレジ レジゴー」を導入した。
「これは、店内に置かれた貸し出し用スマホに購入商品を入力しながら買い物をするサービスです。コロナ禍における非接触対策だけでなく、レジ待ちの時間を軽減。さらに、スマホを見ればかごの中身と合計金額がひと目でわかるため、買い忘れや買いすぎ防止につながります」