電機メーカーもデフレ脱却が見えてくれば、「収益好転が期待できる」という。
「ただ、世界的に厳しい競争下に置かれ、業界内でも格差が生じています。ソニーグループはデジタル化に欠かせない画像センサーといった部材が絶好調で、もはや別格の存在。パナソニックは株高予測となっていますが、今後は目ぼしい収益源が見当たらず、先行きが明るいとはいえない。安値と高値の値幅の広さが目立つシャープは、台湾の鴻海精密工業傘下ということもあり、中国との関係から台湾リスクがつきまとうため、それが株価予測にも反映されている可能性があります」
さらに藤本氏が注目するのは「不動産」だ。
「日本の不動産は世界的に見て割安。利回りが3%程度と低いかもしれませんが、金利はさらに低い。その差に魅力を感じた買いが今後は期待できます。中長期的には不動産業界の株価上昇も望めるでしょう」
コロナ禍で業績不振に苦しんできた業界は多いが、緊急事態宣言が解除され、感染に縮小傾向が見られるなか、旅行や出張などの回復が見込まれることから、「鉄道」や「航空」についてはAIも株高を予測する。
「長引く自粛生活の反動で旅行需要などが高まる期待から、JR各社や航空業界の株価も反発が目立ちます。AI予測は過去の値動きに基づくため、株価が上昇している銘柄はより上がるという『順張り』の発想となりますが、業績不振などで株価が下がっていた銘柄が上昇に転じるのを見越した『逆張り』の発想で考えても、交通関連はまだまだ“買い場”といえるでしょう」
「安く買って高く売る」が株式投資の鉄則
ここで紹介した株価予測は1か月後のものだが、藤本氏は「さらに先を見据えるならバンダイナムコホールディングス、東宝、任天堂に注目してもいい」とした。
「バンダイナムコは『ガンダム』シリーズ、東宝は『鬼滅の刃』をはじめヒット映画を手がけ、任天堂は『マリオ』などゲームキャラクターの世界で他にはないコンテンツを持つ。世界的に通用するコンテンツは、今や世界第2位の経済大国となった中国にないもので、そうした日本企業に中国企業が触手を伸ばしてくる可能性もある。株価も中長期的な上昇が望めるでしょう」