一方、あるベンチャー企業の元社長は、スマホのアプリを開発して巨額の富を得た。ところが、現在は会社を売却して、コンビニでアルバイトをしているという。
「コロナ禍で人に会えない孤独に耐えられなかったのです。いまは主婦や学生、高齢者など、いろいろな背景を持つバイト仲間と仕事終わりにお茶するのが、日々の楽しみになっています」(元社長)
彼にとっては、ひとりでお金を稼ぎ続けることよりも、時給をもらって仲間と働くことの方が幸せだったのかもしれない。
「お金や住宅、地位や名誉など、人と比較できる財産を『地位財』といい、これによって実感できる幸せは長続きしないことがわかっています。マイホームを手に入れたとしても、家への満足度は高まりますが、幸福度には相関がありません。ほかの人の“もっといい家”を目にすればうらやましくなり、その幸せは色あせてしまいます」(前野さん)
※女性セブン2021年11月4日号