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借金を作り勘当された50代兄 相続手続きで連絡すると「ハンコ代寄越せ」

「相続手続きなんて知るか!」と言っていたのに…(イメージ)

「相続手続きなんて知るか!」と言っていたのに…(イメージ)

 遺産相続で争いが起きるのは、お金持ちだけ──そう思っている人も多いかもしれない。しかし、お金持ちではなくても遺言書がないことが原因となり、相続トラブルになることが多いという。

「“うちの子供たちに限って争わないはず”“うちはお金がないから必要ない”と、遺言書を残さない人が多いのですが、そのために、わずかな金額を巡ってきょうだい仲が悪化するケースが実に多い。また、法律を自分に都合がいいように解釈して主張する人も多いので、遺産の有無に関係なく遺言書は必ず残してください」(実家相続介護問題研究所の代表・江本圭伸さん。以下同)

 たとえば、長男が遺産のすべてを相続するという旧民法の家督相続制度は1947年に廃止されているが、地域によってはいまだに主張する人も少なくないという。

「遺言書があっても、嫁や婿など血のつながっていない親戚ほど、“もっとあるのでは”と、物申してくるケースも多いので、親の生前から財産はどうするかについてなど、頻繁にコミュニケーションを取って話し合っておくのが理想です」

 相続問題すべてに通じる模範解答はない。実際に起こったケースと、それに対する専門家のアドバイスを見てみよう。

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「手続きしてほしけりゃ金をくれ」

「相続手続きなんて知るか! おれを追い出したのはそっちだろう。だからおれも、一切かかわりたくない!!」

 高校卒業後、親の稼ぎで遊んで暮らしていた兄(50才)は、20才のときに多額の借金を作り、親に勘当されました。あれから30年──相続手続きのため電話をしたところ、こう怒鳴られて着信拒否に。

 私(40代女性)だってできることなら勝手に進めたかったですよ。でも、両親がそろって事故で急死。遺言書を残していなかったから、相続には法定相続人である私たちきょうだいが協力しないといけない。46才で未婚の私は実家暮らし。結婚もあきらめているので、いまの家を相続してそのまま住みたいのに、宅地の名義を父から私に変更する手続きには兄の実印と印鑑登録証明書などが必要なんです。どうしようか悩んでいたら、意外にも兄から連絡が!

「“ハンコ代”をくれるんだったら、考えてやってもいいぜ。そうだな……20万円くらいでどうだ?」

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