買い物の会計時、「ポイントカードをお持ちですか?」と尋ねられる機会がとにかく増えた。今やあらゆる企業がポイントカードを発行するようになったが、「入会手続きがどうにも面倒そうで、財布の中もカードだらけになるのは嫌だし、『いや、結構です』と断わるばかり」(東京・60代男性)という声は少なくない。
「超低金利時代にポイントを捨てるのは合理的ではありません」
そう話すのは、消費生活アドバイザーの丸山晴美氏だ。
「『たかだか数円のために……』と侮ってはいけません。現在、銀行の普通預金の金利は0.001%で、100万円を1年間預けてもらえる利息は税金を引くとわずか8~9円。対してポイントの還元率は0.5~1%です。この超低金利時代にポイントを貯めることは、自分のお金を減らさないために重要です」
国内のポイントサービスの市場規模は2兆円を超えるとされ、今や“第2の通貨”といえるほどの普及を見せている。
ただし、前出の男性のように財布が膨らむことを危惧する人は少なくないだろう。消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏は「それはひと昔前の話です」と語る。
「買い物などで支払ったお金に対して0.5~1%などのポイント分が還元されるサービスは、当初は各企業が独自のサービスとして始めました。しかし、今では提携先ならどこでも使える『共通ポイント』が登場し、利便性が高まっています」