はぁ? 何もしなかったお前が言うな。T美は自腹で食材を買い、自宅でも研究していたし、私はパッケージデザインだけじゃなく、メニューのイラストまで描いたのよ。私たちの技術はプロとしてお金を稼ぐためのもの。本来、友達だろうとタダでいいはずがない。
でも、たしかにコロナ禍で大変なマダムを助けたいと思ったし、不景気で大変なのはお互いさまだから、ここはS子に従うことにしたの。
ところがその後、S子ときたら、「私がプロデュースしたんだから」と恩に着せ、毎日店に寄っては、タダでお弁当をせしめているらしい。
「友達だから当然タダ」って、そういう意味もあったのね。
取材・文/上村久留美
※女性セブン2021年11月11・18日号