スーパーをはしごして安い食材を買って、もらったクーポンも欠かさず使って……こんなに努力しているのに、どうしてお金が貯まらないのだろうか──。日々節約に励む人の中には、こんな悩みを抱える人もいるだろう。しかし、残念ながらお金が貯まる人はむしろ、そうした努力はしていない。収入の多い少ないにかかわらず、リッチな人たちはどんな事を意識しているのか。
お金の専門家に“貯められる人”の共通点を聞いたところ、お金が貯められる人たちが「やらない習慣」が見えてきた──。
1つの口座で管理しない
節約・貯蓄のためには、毎月のお金の流れを把握するのが第一歩。お金持ちたちは、少なくとも「使う用」と「貯める用」の2つ以上の口座を用意している。
貯蓄が上手な人の間では、口座を目的別に細分化するのが当たり前。「使う用」は、生活費などの普段使いと、冠婚葬祭などの特別支出に。「貯める用」は、住宅の頭金、子供の教育費……などと分けておけば、使いすぎを防いで、必要な資金を確実に貯めることができるのだ。
家計再生コンサルタントの横山光昭さんは、「使う用」の口座に余裕を持たせることをすすめる。
「予算の1.5か月分を入れておけば、冠婚葬祭などの臨時出費があっても安心ですし、臨時支出があっても“貯める用”の口座からお金を引き出さずに済みます。同じ銀行で目的別に複数の口座をつくるのは難しいので、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)や住信SBIネット銀行など、複数の口座を持てるネット銀行を利用したり、封筒で現金管理するのもいい」
ただし、老後のための貯蓄は普通預金では心もとないので、「増やす用」としてiDeCoやつみたてNISAなどの活用を検討してほしい。
財布を1つで済まさない
貯められる人は、財布も目的別に分けて管理。横山さんも、「食費用財布」を活用しているという。
「ひと月分の食費の予算をさらに1週間分ずつ分けて管理できるよう、ポケットの多いものがおすすめです。浪費しがちな人ほど、財布は小さくして。持ち歩く金額もクレジットカードも減りますし、レシートをため込むスペースもないので、家計を見直さざるを得なくなります」
強制的にムダ遣いができなくなる財布なら、いやでも貯まるはず。