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相続ルール改正で“暦年贈与封じ”か 駆け込み贈与の機会はあと2回

 どういった贈与が得になるかは、財産の額や相続人の数によって変わってくる。

「たとえば相続人が妻と子供2人で、財産が2億円の場合、配偶者の税額軽減を考慮しないと2700万円の相続税が課税されます。想定相続税率は13.5%(2700万円/2億円)になる。この税率を下回る10%の範囲内の贈与を2回、かつ複数名に行なうことが節税になります。

 たとえば1人に310万円の贈与を年末と年明けの2回、2人の子供に行なうと贈与税は40万円の2人分、80万円で済む。移転した預金は1240万円だから、実質6.5%の課税です。こうしたシミュレーションをして、贈与額を考えていきます」(山本氏)

 何を贈与するかについても、工夫があっていい。

「たとえば、上場株であれば贈与した日、贈与月、前月及び前々月の平均額のうち最も低い額が贈与税の評価額として計算できます。株が急上昇した時に贈与して、贈与後に子供が売却しても、安かった時の株価に対して贈与税がかかります。移転コストもほとんどかかりません。逆に土地は登録免許税や不動産所得税などの移転コストがかかってメリットが小さいとされます」(山本氏)

 こうした前提のもと、最適な方法を探りたい。

※週刊ポスト2021年11月12日号

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