蛍光灯や白熱電球に比べて、寿命が長く消費電力も小さいということで、人気のある「LED照明」。しかし、LED照明には意外と知られていない厄介な問題も存在する。それが、電球を交換できないタイプのLED照明をどうするか、という問題だ。
30代自営業の男性・山本さん(仮名)は、3LDKの都内のマンションに6年ほど住んでいるが、LED照明の寿命に遭遇してしまい、交換問題に直面している。
「入居したときは築1年くらいと、新築に近い状態でした。照明は、リビングはシーリングライトですが、それ以外の3部屋はすべて天井埋込み型。いわゆる“ダウンライト”です。そのうち2部屋は電球を交換できるタイプの照明だったんですが、1部屋が電球の交換ができないタイプのものだったんです」(山本さん・以下同)
LEDダウンライトには、大きく分けて2つのタイプがある。電球が切れたときに電球を交換できるタイプと、電球が切れたら本体ごと交換するタイプだ。
「仕事部屋兼寝室のLED照明が、電球が交換できないタイプのものでした。天井に4つ照明が埋め込まれていて、壁に備え付けてあるスイッチで調光ができるんです。
ある日、部屋で仕事をしていたら、4つのうち1つの照明が不安定に点滅するようになったんですよね。調光のスイッチで調節して暗くすると点滅も収まるんですが、またちょっと時間が経つと点滅するようになってしまう。あまりに気が散るので照明を交換するしかないなと思って調べてみたら、電気工事士の資格がないと交換ができないらしい。普通の照明と同じように交換できると思っていたので、ちょっと困惑しました」
山本さんが話を聞きに行った家電量販店スタッフによれば、LED電球は、長ければ10年ほど持つと言われている。一方、LED照明の本体の寿命も10年ほど。LED電球を交換するタイミングは本体を交換するタイミングとほぼ同じであるため、電球を交換することを想定しないLED照明器具も増えているというのだ。