投資情報会社・フィスコが11月8日~11月12日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は政策金利の早期引き上げに慎重な姿勢を堅持し、リスク選好的なドル買いは一服しそうだ。ただ、高インフレの状態が続いた場合、早期利上げの可能性が高まることから、リスク回避的なドル売りは想定しにくい。ただ、今週発表の10月生産者物価指数と10月消費者物価指数は引き続き高水準が予想されており、市場予想と一致または、上回った場合、金利高・ドル高に振れる可能性はあろう。欧米中央銀行による早期利上げ観測の後退によって世界的に株高に振れているが、NY株式市場の強気相場が続けば、リスク選好の円売りが強まる可能性は残されている。
また、他の主要中央銀行の金融政策に対する市場の関心は依然として高いようだ。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は来年中の利上げに否定的な見解を表明している。英中央銀行も緩和的な政策を当面維持すると予想され、ユーロ、英ポンドに対するドル買いが続いた場合、ドル円の取引でもドル買いが優勢となる可能性がある。
【米・10月消費者物価コア指数(CPI)】(10日発表予定)
10日発表の米10月CPIは前年比+4.3%と、9月実績の+4.0%を上回る可能性がある。市場予想と一致、または上回った場合、早期利上げ観測が再浮上する可能性がある。
【米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数】(12日発表予定)
12日発表の米11月ミシガン大学消費者信頼感指数は72.0と、10月実績の71.7から上昇が予想される。夏場の落ち込みからの回復傾向を維持できれば成長への期待が膨らみ、株式市場の強気相場を支える要因に。