もう一点、政府の役割も株価の戻りに大きな影響を与えそうだ。市場では当局がAIを使った医療サービスへの安全性面を重視したことを嫌気したようだが、長期的にみれば、オンライン医療サービスの安全性面を高める規制は業界のイノベーションを加速させ、消費者の信頼を高めることに繋がるはずだ。
政府の真意はAIを使ったオンライン医療サービスのイノベーションを加速させることにあるだろう。一般論であるが、中国政府は“朝令暮改”も少なくない。現実に即して柔軟に機動的に政策を打ち出してくる側面もある。投資家が一番注目すべきところは政府の真意ではないだろうか。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。