話を中国株市場に戻せば、現在の株価急騰は行き過ぎのようにも見える。実態のない企業の株価は早晩急落し、将来有望な企業の株価だけが暴落せずに、相対的に小さな下落率に留まることになるのではないか。実際に市場が立ちあがり、大きくなるにはまだ年月のかかる業界である。長期投資を考えるなら株価が落ち着いてからでも間に合いそうだ。
ただ、残念なことに、中国A株の優良企業のほとんどが創業板銘柄であり、日本の投資家が直接買うことのできない銘柄ばかりである。こうした銘柄を多く組み入れた外国人でも買うことのできるファンドの組成が待たれるところだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。