マイナンバーカードの保有者を対象として最大2万円分のポイントがもらえる「新マイナポイント」事業に注目が集まっている。当初、公明党が選挙公約として掲げていた3万円から1万円減額されたが、それでも現在、申請が急増している。ただし、マイナンバーカードを作っただけではポイントは付与されないという「落とし穴」がある。
昨年9月に始まった前回の「マイナポイント」事業に際して、申請を行なうためにマイナンバーカードを作成した50代男性が語る。
「今年4月末までにマイナンバーカードを作れば5000円分のポイントをもらえると聞き、急いで申請してマイナポイントも登録したのですが……。“2万円分の買い物か、電子マネーに2万円をチャージしないとポイントをもらえない”と後から知り、使い勝手が悪くてがっかりしました」
前回の「マイナポイント」事業は、今年4月末までにマイナンバーカードを申請した人が対象となった。「5000円分のポイントが付与される」という謳い文句だったために、申請すればすぐに買い物に使えるポイントをもらえるのかと思ってしまうが、実はそうではない。消費生活アドバイザーの丸山晴美氏が解説する。
「そもそも“マイナポイント”というポイントは存在しません。電子マネーやクレジットカードといったキャッシュレス決済サービスとマイナンバーカードを紐づけ、その電子マネーなどで買い物、もしくはチャージをした額の25%がそのサービスのポイントとして還元されるという仕組みです。2万円を消費することで、5000円分のポイントが付与されるということです」
たとえば楽天カードをマイナンバーカードに紐づけた場合、買い物金額の25%、最大5000楽天ポイントが付与される。今年の年末までの買い物が対象となり、2万円以上利用したら翌々月の25日頃にポイントをもらえる仕組みだ。ただし、そもそも登録したクレジットカードや電子マネーの利用頻度が低い場合、2万円の上限額に達せずに期間が終了し、満額のポイントが付与されない可能性がある。マイナポイントには「登録の仕方が複雑で分かりにくい」という声も少なくない。キャッシュレス決済をあまり利用しない人にとってはもちろん、利用している人にとっても少々ハードルが高いようだ。