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飲食店店主たちが明かす「これは不条理だ」と感じるクレーム

飲食店の店主たちが「それは勘弁してほしい」と感じるクレームとは?(イメージ)

飲食店の店主たちが「それは勘弁してほしい」と感じるクレームとは?(イメージ)

 飲食店の主な仕事は、客に食事を提供することだが、クレーム対応も仕事のうち。時にそれが本業以上の負担になることも少なくない。飲食店で働く人たちに、これまでどんなクレームを受けてきたのか、その中でもつらかったクレームは何かを聞いた。

 東京都新宿区で長年居酒屋を営むFさんは、「あらゆるクレームを受けてきた」と振り返る。

「ウチは席数が50以上ある中型店ですが、最も多いクレームは、『料理や飲み物が遅い』と『店員を呼んでもなかなか来ない』ですね。繁華街のど真ん中にあるため、予約無しに10人単位のお客様が来ることが多く、捌けなくなってしまう瞬間が生まれてしまうんです。同業者と話をすると、『接客態度が悪い』『異物が入っている』『オーダー、勘定が違う』なども多いようで、それがクレームの上位5つじゃないでしょうか」(Fさん)

 これまでには「メニューにクレープないの? 何で?」「トイレの便器のメーカーが気に入らない」「イスがガタついていて、尻が痒くなった」など、想像もつかないようなクレームを受けたこともあるとか。“お客様”の意に沿うのも客商売では大切な作業だが、本当に困ってしまうのは、良かれと思ってやっていることが受け入れられないパターンだ。

 かつてタコ焼き屋を経営していたYさんは数年前の冬、こんなクレームを受けた。

「タコ焼きを買ったお客さんがしばらくして戻ってきて、『お前の店のタコ焼きは熱すぎるんだよ!』と、怒鳴られたことがあります。タコ焼きなんて、熱々じゃなきゃ美味しくないのに……。とっさに『一口で食べないで、細かく刻んで少しずつ食べて下さい』と言ったら、納得してくれましたが、心の中では『お前はタコ焼き食うなよ』と叫んでいました」(Yさん)

 Yさんは、すでにタコ焼き屋を畳んでしまったが、他に思い出深い経験としては、「タコを抜いてくれ」と言う客もいたという。

オーダーから30秒で提供したら「早すぎる」

 都内の中華料理店で厨房に立つKさんも、不条理なクレームに腹を立てている。

「ウチはオフィス街の真ん中にあって、勝負時はランチ。麺類、チャーハン、ご飯物の定食などがありますが、ランチ前に食材を完璧にセッティングしておき、メニューによってはオーダーが入ってから30秒ぐらいで出せます。けど時々『出てくるのが早すぎる』って怒る人がいるんですよ。『作り置きじゃありませんから』って言うんですけど、大抵は不満そうで……。ランチタイムに『もう少しゆっくりしたい』とか言われてもねぇ」(Kさん)

 遅いのがクレームの対象になるのは納得だが、人によっては早すぎるのもダメとは難しい。

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