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義両親の介護、どれだけ尽くしても「養子縁組」しなければ相続権なし

配偶者の死後、義両親とのつきあいをどう考えるか(イメージ)

配偶者の死後、義両親とのつきあいをどう考えるか(イメージ)

 血が繋がっているからわかり合えることがあれば、他人だからこそうまくやれることもあるだろう。人生100年時代、配偶者が義両親より先に亡くなることは充分にあり得る。そのとき、義両親とどうつきあっていくべきか。

 内閣府が発表している高齢社会白書(令和3年版)によると、要介護者全体の7.5%が子の配偶者に介護されており、その数は約51万人にのぼる。民法では「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」と規定されている。配偶者に先立たれた場合、義両親を介護する法的な義務はないといえる。

 しかし、「特別な事情」を理由に、義両親の扶養義務が発生するケースもあると弁護士の加藤泰さんは話す。

「ほかに実子がおらず、義両親のきょうだいにも扶養能力がなく、義理の娘にいちばん養う力があれば当てはまる可能性があります。義理の娘が拒否し、扶養義務を家庭裁判所で争うこともできますが、レアケースです。実際に多いのは、夫が亡くなる以前から面倒を見ていた妻が、親戚からの圧力や情でそのまま介護を続けるケースです」

 しかし、どんなに義両親の介護をしても、養子縁組をしていなければ相続権利は発生しない。行政書士の露木幸彦さんはこうアドバイスする。

「2008年7月の民法改正で『特別寄与料』による相続が認められるようになったのですが、この方法だと遺贈による取得と見なされる。血族が相続するのと比べて、2割増しの相続税がかかってしまいます。ほかのきょうだいもいる中、介護をしてくれた義理の娘や息子に財産を残したいなら、養子縁組をするか、遺言を書くのがいいでしょう」

 一方で、義両親と完全に縁を切りたい場合、「姻族関係終了届」を出すという方法がある。

「離婚すると、元配偶者の親族との親戚関係は解消されますが、死別では解消されない。それを解消するのが、姻族関係終了届です。本籍地のある役所なら書類1枚で済み、義両親の捺印も、義両親に告知する必要もありません」(前出・加藤さん)

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