「だったら、いまから焦って生前贈与するより、相続まで待った方が得」と思うかもしれない。しかし、生前贈与したものを亡くなる何年前までさかのぼって課税するかは、まだ明確には決まっていない。5年前までしかさかのぼらないかもしれないし、そもそも改正税制の施行が2022年に必ず行われるとも限らない。「もう80代に差し掛かるから、急いで贈与してもムダ」などと諦めるのは早計だ。
「不動産など、評価額が高ければ高いほど、課せられる税金の額も大きくなるのは間違いないでしょう。何より、少しずつ生前贈与しておいた方が、相続争いなどもなく、受け取る側のメリットが多い。現行の制度を使って、計画的に評価を下げながら次に渡してほしい。現状できることはしっかりしておけば、必ず成果はあるはずです」
残したい財産があるなら、いますぐにでも、少しずつでも生前贈与を。そのときに後悔しないよう、準備は怠らないようにしたい。
※女性セブン2021年12月9日号