病気になったときに、頼りになるのが病院。だが、かかる病院、診療する医師によって、治療内容だけでなく、治療費にも大きな差が生まれることがある。はたして、どうすれば安心して命を預けられる病院と医師を見分けられるのか。みつばち大阪クリニック院長の橋本惠さんは外見からも、いい医師がいる病院はある程度見分けられると主張する。
「スタッフの間に和気藹々とした雰囲気があることは重要。1人の患者さんを囲み、どういう治療がいいか忌憚なく話すためには、普段からの人間関係の構築が必要です。医師個人についていえば、医局人事や自己研鑽でいろいろな職場を経験してきた人の方が多くの知見を目にする機会があり、治療の幅の広まりが期待できます。病院が公表する手術数も参考にしていい。ただし、“成功率”をホームページに掲載する病院には落とし穴が。難しい症例を敬遠する傾向にあります」
受付や事務員などスタッフ同士のコミュニケーションが取れているか、目を向けてみよう。いざ診察室に入ったらまず確認すべきは“時間”だ。湘南鎌倉総合病院・院長代行の小林修三さんが説明する。
「患者にどれだけ時間をかけているかは1つのチェックポイントです。初診の場合であれば15~30分は欲しいところ。混んでいるときに相談を持ちかけたとしても邪険にせず “今日は難しいけれど来週なら時間を取るから”など代案を出してくれる医師も、その後の治療で親身になってくれる可能性が高い」
施設の様子にも注目しよう。医療サービスアドバイザーでコンサルタントの武田哲男さんはこう話す。
「絵を飾り植物などを置いてある医療機関はいい病院である傾向があり、そのうえ季節ごとに替えたり、手入れするだけの余裕があることがわかる。スタッフに心のゆとりがあるからこそ、医療も行き届くのです」