最近は必須となった「コロナ対策」の内容もひとつの指標となる。
「発熱者とそれ以外の人の動線や窓口を分けたり換気をしっかりしたりするなど、コロナ対策をどのくらい丁寧にしているかもその病院が信用に足るかの物差しになります。たとえ大病院でなく、古い施設であっても努力が垣間見えるところはいい病院だといえるでしょう」(橋本さん)
これらに加え、新しい評価基準として覚えておきたいのが「JCI認証」だ。
「アメリカで創設された医療分野の第三者評価機関が審査するもので、1200項目からなるチェックを受けて合格しなければならない厳しい基準です。災害時だけでなくすべての面における安全性が担保されているか、質の向上に取り組んでいるかなど病院にある程度の余裕がなければ取得は難しい。
実際、その調査対象は医師や看護師だけでなく清掃スタッフなど広範囲に及びます。有名医師がいるとか、テレビによく出る病院という基準で選ぶより、JCI認証を取得しているかどうかをホームページなどでチェックする方が簡単だし、取得していればいい病院である確率が高い」(小林さん)
もしいま通っている病院がこれらのチェックポイントに当てはまらないのであれば、病院を移ることも検討したい。その際、医師への対応は慎重に。
「時間帯が合わなくなった、親の介護で実家の近くのクリニックに通うことになった、など波風が立たない理由を作るのも手です。転院に関しては“嘘も方便”。医師に気持ちよく紹介状を書いてもらうことに注力した方がいいでしょう」(橋本さん)
いざ医師と対峙するときには、良好なコミュニケーションを取ることを意識したい。
「医師も人間です。たとえば急にノートを出して『騙されるもんか』というポーズをとられたり、延々と自分の話だけを語られたりすれば、さすがに身構えます。まずは挨拶をして、信頼関係を作ることが大切です」(小林さん)