各保険料の値上げも消費者に重くのしかかる。3年に1度見直される介護保険料は、高齢化が進んでいるため今年4月に値上げ。145円増の月額6014円と、初めて6000円台に乗った。蒲島氏が語る。
「保険料増加の流れは今後も続くと予想されます。コロナ対策で雇用調整助成金などを出して雇用保険の備蓄が空になったので、これから雇用保険料も上がっていく。働いている人への影響は大きいです。
高齢者の場合は、来年10月から75歳以上の医療費の窓口負担は1割から2割になり、現役並みの収入がある人は3割負担になる。社会全体の高齢化に伴い高齢者の負担が増しています」
船賃が10倍に
食品業界でも製品の値上げが相次いでいる。パンや乾めんなど小麦製品は前年比で約8%、外国産牛肉の平均輸入価格は約3割値上げされた。コーヒーは最大で20%、食用油はキロあたり30円以上値上げされている。
11月12日にキッコーマンは来年2月16日納品分から、醤油製品164品と豆乳製品52品目を値上げすると発表。だし醤油やポン酢など醤油製品の値上げ幅は約4~10%となる見込みだ。製品の値上げは2008年以来の14年ぶりだという。加谷氏が語る。
「かつては、価格を据え置いて、内容量を減らしたり、原料のグレードを下げたりする“ステルス値上げ”が話題になりましたが、近年は堂々と価格改定を宣言する“名目値上げ”に踏み切っている。他社が始めると、次々に追随するという流れになっています」