音楽、動画、電子書籍、飲食店、自動車の利用など、さまざまなジャンルに浸透している定額制のサブスクリプションサービスだが、その中でも注目されつつあるのが、毎月定額の料金で複数のゲームを自由に楽しめる「ゲームのサブスク」だ。
ゲームのサブスクは、PlayStationシリーズ、Xboxシリーズ、Nintendo Switchといった家庭用ゲーム機で利用できるものや、パソコンやスマホで利用できるものなど、プラットフォームはさまざまで、クラウド上でプログラムを動かしてゲームをプレイする場合と、ゲームをダウンロードしてプレイする場合の2種類がある。
たとえば、PlayStation4、PlayStation5で利用できる「PlayStation Now」は月額1180円で、400タイトル以上のPlayStation3/PlayStation4のゲームをプレイできる。Xbox Series X/Series Sで利用できる「Xbox Game Pass」は、月額850円で100タイトル以上のゲームのプレイが可能で、フルプライスのタイトルが発売と同時に「Xbox Game Pass」のラインナップに加わることもある。なお「PlayStation Now」と「Xbox Game Pass」はいずれも、PC版のサービスも提供されている。
Nintendo Switchでは月額306円の「Nintendo Switch Online」というサービス内で、過去のファミリーコンピュータ/スーパーファミコンのタイトルが遊び放題。さらに年額4900円の「Nintendo Switch Online+追加パック」に加入すると、NINTENDO 64やセガ メガドライブのタイトルもプレイできるようになる。
ゲーム事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「『PlayStation Now』や『Xbox Game Pass』は、通常8000円くらいで販売されるフルプライスのタイトルを月額1000円前後でプレイできるという意味では、お得感があると言えます。月に1タイトルの新しいゲームをプレイするだけでも余裕で“元は取れる”。『Nintendo Switch Online』のほうは、オンラインプレイやデータ預かりがメインのサービスで、レトロゲームの遊び放題はおまけのようなものでしょう」
「新作をやってる時がもったいない」
たしかに料金だけを見るとメリットも大きそうなゲームのサブスクだが、ユーザーはどう感じているのだろうか。そのリアルな声を聞いてみたところ、メリットを感じている反面、使い勝手に不満を感じることもあるという。お得に感じる人と、損だと感じる人の分水嶺はどこにあるのだろうか。