石油価格の高騰などによる物価高に対抗するうえで“武器”になり得るのが、ふるさと納税である。「やるなら今です」と指摘するのは消費生活アドバイザーの丸山晴美氏だ。
「コロナ禍があり、昨年から今年にかけて“生産者支援”として農林水産省が自治体の返礼品調達に補助金を出しました。今年は自治体の努力により、返礼品の量を増やす傾向もあります。ただし、来年以降は厳格な運用に戻ることが予想される。今年中にお得なふるさと納税をすることで、来年以降の物価高への備えにもなります」
返礼品競争が過熱した2019年に総務省は、「返礼品の還元率(寄付額に対する返礼品の調達額)を3割以内にすること」と通達。それが新型コロナの影響で実質的に還元率が3割を超える“お得な返礼品”が充実しているわけだ。
「ふるさと納税は自分が選んだ自治体に寄付をすると、実質負担額2000円を引いた残りの金額が、所得税と住民税から控除される制度。2000円の自己負担で豪華な返礼品を受け取れるのです。ただし、控除を受けられる寄付額の上限は収入や世帯構成で変わります」(丸山氏)
申し込みは「さとふる」や楽天市場の「ふるさと納税」といった専用サイトで行なうとよい。申し込み後に税金の還付手続きを行なう必要があるが、確定申告が不要な会社員や年金収入400万円以下の人で、寄付先が5自治体以下の場合、返礼品を選ぶ際に「ワンストップ特例制度」の申請書を提出すれば、確定申告の手続きは不要になる。
これを活用することで、来年の税負担を減らし、かつ食料などの生活必需品を確保できる。なかでも丸山氏が積極的に利用したいとするのが、「定期便」だ。
「食料品が軒並み値上げされるなか、ふるさと納税を使えば生活に欠かせない米や肉などを賢く調達できます。毎月や数か月に一回など定期的に商品が届く『定期便コース』を選べば、来年以降の物価高に備える効果もあります」(丸山氏)