逆に、毒性が想定よりも高く、厳冬によりウイルスが増殖し易い気象条件と重なれば、グローバルに経済活動が大きく影響を受けることになる。その場合には中国本土株にチャンスがあるかもしれない。
12月6日の上海総合指数は3589ポイントで、11月10日の場中安値から4.1%高い水準にある。格差解消を目指す「共同富裕」促進策を実施し始めていることなどから、景気減速が懸念されているが、それを意識してか、中国人民銀行は金融緩和の方向に政策を調整しており、6日には預金準備率の引き下げを発表している。
中国は厳しい入国管理、防疫対策を続けており12月6日現在、新規感染者数は94人に抑えられている。過去の実績を評価する限り、オミクロン株流行に対する防御能力という点でも、世界で最も高い水準にあるのではないだろうか。
グローバル経済が再度停滞に向かうことになれば、サプライチェーンにおける中国の重要性が再度クローズアップされるのではないだろうか。そうなった場合、中国本土株、あるいは関連のETF(上場投資信託)に投資妙味が出てくる可能性もある。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。