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キッチンカーに活路を見出す飲食業界 「コロナ後も伸び代は大きい」

「負けない戦い、負けても警鐘で済む戦い方」

 水島さんは、FXブログを書いたりYouTubeで相場の分析動画を配信するなど、投資家としての顔も持つ。その投資で身につけた「リスク管理」の考え方が、ビジネスにも活きていると話す。

「キッチンカーを作るにあたっては、自分のイメージを形にするため徹底的にこだわった結果、通常よりもかなりの額のお金がかかりました。トラックの取得に約850万円、キッチンなどの内装やトラックの外装に約250万円と、車両だけで1100万円かかったほか、ロゴや制服作成、スタッフ募集、プロデュース費用などにも資金が必要でした。

 ただ、実店舗で開業する場合、テナントを借りて内装費に1000万円以上かけても、失敗した時はせっかく作った内装を元に戻さなければならず、その工事費用は回収できない場合がほとんどです。しかしキッチンカーなら、もし失敗しても上手く売却できれば、内装費なども含めた金額で売却できるケースが多い。金額規模だけを見たら大きいですが、1100万円がゼロになることはありません。

“失敗した時最大でどれくらい損するのか”を想定することは、事業を始める上では必要不可欠な考え方です。その損を許容できると判断したからこそ、大きな金額でも投資できる。このリスク管理の考え方はFXに出会って身に付けたものです。コロナ禍に、あえて飲食事業を選び、しかも1000万円以上を投じるのはリスクが高いように思えるかもしれませんが、私としては負けない戦い、負けても軽傷で済む戦い方を心掛けているのです」

 最後に、店名に込めた思いについて水島さんが話す。

「例えばスターバックスは、店に入ると活気に満ちていて、スタッフが生き生きと楽しそうに働いていますよね。行くといつも元気がもらえる気がします。私もそんな店を作りたいという思いから、店名は『THE SAND SWITCH』(ザ・サンド・スイッチ)としました。朝寄ってもらったら『今日1日張り切っていこう』、ランチ時に来てもらったら『午後も頑張ろう』という気持ちになってもらえて、やる気になる“スイッチ”を押してあげられる。そんな場所にして行きたいですね」

 コロナ禍で大きなダメージを負った飲食業界だが、キッチンカーなど新たな取り組みで活路を見出そうとする人も登場しつつあるようだ。

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