吉田みく「誰にだって言い分があります」

「夕食難民」20代男性に自炊挑戦を決意させた女性上司の手料理

栄養満点の手料理に舌鼓を打ったのも束の間…(イメージ)

栄養満点の手料理に舌鼓を打ったのも束の間…(イメージ)

 年明け早々から続く新型コロナ緊急事態宣言。感染拡大や医療の逼迫度を示す各指標が好転しつつあることもあり、解除の時期が取り沙汰され始めている。この間、飲食店の多くが時短営業となったことによって緊急事態宣言が出ている地域を中心に“夕食難民”が発生していた。そうした中、IT企業に務める20代の独身男性にある“事件”が起きた。フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 今年に入り、東京、千葉、神奈川、埼玉、大阪などの10都府県が緊急事態宣言の対象地域となった。それに伴い、飲食店は20時(酒類の提供は19時まで)までの時短要請を受けた。そこで問題となったのが「夕食難民」である。

 コロナ禍の前までは、仕事が終わってから外で夕食をとっていた人が多かった。しかし、飲食店の時短営業により行き場をなくし困っている人が増えたのである。自炊することで解決する問題ではあるが、食事を用意する時間が取れない、あるいは住環境そのものが自炊に適していない(スーパーマーケットが遠い、調理器具などが充実していないなど)といった事情もあるようだ。

 都内在住のIT企業勤務、石井渉さん(仮名・23歳)は、夕食難民の一人。年度末ということもあり、最近は終電近くまで職場にいるという。飲食店はほとんど閉店しているため、夕食は毎日コンビニで買えるもので済ませているそうだ。食事が偏っているせいか、最近ニキビが気になるという。

「ニキビの数が増え始めてきたころ、『食事、ちゃんと食べてる?』と、職場の上司から心配されるようになりました」(石井さん、以下同)

 石井さんの上司は30代後半の独身女性。新型コロナウイルスの自粛生活をきっかけに外食中心の食生活を見直し、最近では料理が趣味になっているそうだ。そんな上司から、ある提案をされたという。

「『仕事が終わったら、ウチでご飯食べていかない? 一人分作るのも二人分作るのも変わらないからさ〜』と、誘われました。本当に困っていたのでラッキー!って思いました」

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