仕事を進めるうえで欠かせない職場でのコミュニケーション。人間関係が良好になり仕事がしやすくなるメリットもあるが、距離感を間違えると思わぬトラブルも生まれかねない。同僚と仲良くなったことで逆に面倒な経験をした人たちが実感する、職場でのコミュニケーションの難しさとは?
2人で歩いていただけで疑われ…
メーカーに勤務する女性Aさん(20代・営業職)が、新卒で入社した会社での出来事。隣の席の男性社員(20代)と仲が良かった。
「先輩の下について仕事を学ぶOJTということで隣同士にされたのですが、少しの雑談から話が広がり盛り上がることも多く、うるさかったのか、席を離されたことがあります(笑)。先輩とはとても気が合って、一緒に外回りをする時は、よく『今日の行き先は銀座か。だったらランチはここに行ってみよう』みたいに、ランチタイムに合わせて外出していました」(Aさん)
本人は気が合う先輩だと思っていたが、周りの人たちからは「よく遊んでいる2人」と思われていたようだ。それだけならまだしも、思わぬ誤解を生むことになった。
「先輩が既婚者だったこともあり、不倫を疑われました……。先輩と一緒に夜遅く会社に戻った翌日、『昨日○時頃、あいつと2人で○○を歩いていただろう』と言われたんです。なんで知っているのかと聞くと、会社の近くの居酒屋でみんなで飲んでいて、その帰りに私たちを見かけたとのこと。みんなが見ていたのは歩道橋の上からだったそうで、私は気づかず……。上から先輩と歩いているのを見て、根も葉もないことを言われていたかと思うと気持ち悪かったです。
仕事に支障をきたしているつもりはまったくないんですけど、私が女性というだけでこういう目で見られるんだな、という社会人の洗礼というか。自分の行動に気をつけようと思いました」(Aさん)