ステーキチェーンの『いきなり!ステーキ』が12月1日、値上げを敢行した。メニューによって値上げ幅は異なるが、特に大きく値上げされたのが看板メニューの「ワイルドステーキ」で、450gは1925円から2420円と実に500円近くの大幅値上げ。また、店頭では事前に値上げを告知していたものの、ペッパーフードサービスが公式サイトで発表したのは値上げ当日だったこともあり、事実上の“いきなり値上げ”も話題になっている。
同チェーンを運営するペッパーフードサービスによると、今回の値上げは〈主要食材である牛肉の仕入価格が過去に例を見ない水準で高騰〉していることが大きな要因で、値上げは2020年12月以来1年ぶり。ちなみに2020年のメニューリニューアルでは、「チキンステーキ」を導入したほか、それまで200gからだった「ワイルドステーキ」「ワイルドハンバーグ」に150gを追加するなど、値段の見直しだけでなくメニューの幅が広がる側面もあった。外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。
「1年前のメニューリニューアルでは低価格帯のメニューを登場させており、消費者にとっては、選択肢の幅が広がるというメリットもありました。しかし今回は純粋な値上げであり、さらに値上げ当日の発表だったこともあり、いきなり!ステーキ愛好家たちの衝撃も大きかった。もう少し消費者心理を考えても良かったのではないかと思います」
「肉マイレージ」変更時よりショックが大きい
では、今回の“いきなり値上げ”に対する、いきなり!ステーキ愛好家たちの本音はどうなのだろうか。
都内に住む会社員・平山さん(仮名、40代男性)は、週に1度くらいのペースでいきなり!ステーキに通っている。今回の値上げは、ツイッターのタイムラインに流れてきた友人のツイートで知ったという。
「店内で告知していたようですが、全然気づきませんでした。12月1日にツイッターに友人が“値上げしている!”とつぶやいていて、びっくり。原材料の高騰が理由なら多少の値上げも仕方ないと思うんですけど、元々安さが売りだったはずのいきなり!ステーキも、いまとなってはそこまで安くないですからね。ワイルドステーキ300gで1800円超えとなると、もはや高く感じてしまいます。
あと、私が行く店では、店員さんの数も減っているようで、サービスの面での満足度が下がっている印象も否めません。空席があるのに店の外で待たされたり、店員さんが忙しくて全然会計をしてもらえなかったり、接客の面でストレスを感じることが何度かありました。“テイクアウトのオーダーが大量に入っているので、注文いただいても時間がかかりますが、大丈夫でしょうか”と言われたこともあって、その時は入店せずに帰りましたが、なんだか大変そうだなと思いました」