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株・不動産・金…「世界的バブル崩壊」の震源地となるのは米国か、中国か

米FRBは利上げも視野に入れてテーパリングに踏み切った(パウエル議長。Getty Images)

米FRBは利上げも視野に入れてテーパリングに踏み切った(パウエル議長。Getty Images)

日経平均株価は来年末に1万5000円も

 中国がバブル崩壊の引き金を引く可能性もある。中国経済の現状は、日本のバブル崩壊直前と非常によく似ている。これまで、中国の経済成長の牽引役は不動産業界だったが、その中心にある不動産開発大手・恒大集団は、いまや度重なる債務返済の遅延などで経営破綻の瀬戸際に追い込まれている。経済成長の一方で、行き過ぎた不動産バブルを抑制するため、中国政府が銀行の不動産融資に上限を設けるなど規制に乗り出したためだ。

 日本でも1990年3月、当時の大蔵省が「総量規制」と呼ばれる行政指導を行ない、銀行に不動産向け融資の伸び率を貸し出し全体の伸び率以下に抑えることを求めた。この規制が不動産企業の資金繰りを悪化させ、バブル崩壊の引き金となった。バブル当時、日本は世界第2位の経済大国だったが、まさに今中国が同様の状況だ。歴史は繰り返すと言われるが、今回のバブルも、世界2位の国が発端となって崩壊の道を辿る可能性は高い。

 加えて、五輪が終わった後に大不況が来るというのもいつものパターンだ。2022年の北京五輪後の景気悪化も懸念される。過去、1964年に東京五輪が開催された直後、「昭和40年不況」が日本の証券業界を襲い、2008年の北京五輪の後にも、前年に14%を超えていた中国の経済成長率が9%台に鈍化した。

 実際にいつバブルが崩壊するかを予想するのは難しいが、これらを踏まえると、2022年1~3月期にも起こる可能性は高いとみている。そうなれば、日経平均株価は現在の2万8000円台から2022年末には1万5000円程度まで下落することも考えられる。

 今後数か月は、株価は上昇する可能性もあるため、それまでは投資を続けても良いだろう。だが近い将来、バブル崩壊がやって来ることを念頭に置いて、株価が1~2割程度下がったら一旦資金を避難させるなど、もしもの時の対処法をあらかじめ決めておくことが大切だ。

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