B男:大手生保の更新型保険の保険料が安いのは最初だけですよね。更新まで10年、15年と長く、更新のたびに保険料が上がるようになっている。
生命保険は非常に長い期間お金を払うのが前提の商品であり、なおかつ掛け捨てタイプが多いので、10年、20年と払い続ける保険料の総額を、しっかり確認しなければいけません。どれほどの大金を払っているか気づくべきです。
A子:人件費の話で言えば、国内の大手生保の正社員は年収1000万円台など、ふつうの会社員と比べてとても高いことが多いんです。それすらよく知らない日本人の金融リテラシーの低さが食い物にされていると感じます。
ただ、営業職員は「新商品を売るとお客さまの損につながる」ということを教育されないので、本気で、よかれと思って保険をすすめているんです。知らないで売らされているんですよ。
B男:保険代理店の立場からすれば、保険会社の管理部門の正社員のかたの給料は本当に恵まれている気がします。
A子:現場の営業職員は、基本給は5万円くらいですよ。そこに歩合給がプラスされるので、どんどん売らないとやっていけません。商品によって歩合の割合が違って、会社が儲かる医療保険や定期保険を売ると私たちの収入も増えるから、どうしてもお客さんよりも会社が得する商品を売らされる傾向があります。
それでも、いわゆる“生保レディー”は管理部門の正社員ではないので、よほど優秀でなければ、年収は150万円くらいの人も少なくない。ところが私が以前所属していた都内のある支部のトップセールスは、1回のボーナスで800万円ももらっていた人がいました。夏と冬の合計じゃなくて、1回のボーナスですよ! 短大卒の事務員の女性でも、正社員は年収700万~800万円ほどでしたね。それだけの人件費を払っているんだから、保険料が高くないと会社を維持できない。契約者からすれば、ひどい話です。