投資情報会社・フィスコが、株式市場の12月13日~12月17日の動きを振り返りつつ、12月20日~12月24日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で107.91円高(+0.38%)と続伸も、週足のローソク足は陰線を形成した。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)の公表結果の前後で一進一退が続き、結局、方向感に乏しい展開となった。
週前半から日経平均は方向感に欠ける展開。週明け13日は、11月の米消費者物価指数(CPI)が39年ぶりの伸びを記録したが、想定内との見方から金利が低下したことで安心感が台頭。また、新型コロナウイルス変異株「オミクロン型」に対する警戒感の後退も投資家心理の改善に寄与し、日経平均は202.72円高と反発。しかし、14日は一転して207.85円安と反落し、上げ幅を帳消し。英国でオミクロン株感染による初の死者が確認され、感染抑制のための規制強化が景気回復を頓挫させるとの懸念が浮上。また、岸田首相が企業の自社株買いの制限に関するガイドラインの設定を示唆したことが、投資家心理を悪化させ下げ幅を広げる場面もあった。
FOMCの公表結果を目前に控えた週半ばの15日の日経平均は27.08円高とほぼ横ばい。今年最後のビックイベントを前に模様眺めムードが支配的となった。
週後半はボラティリティー(変動率)の高い展開に。注目のFOMCでは量的緩和の縮小(テーパリング)の加速が決まり、来年の利上げ見通しについては従来の1回から3回に増加。ただ、おおむね市場の想定内と受け止められ、金利上昇も限定的だったことから買いが優勢に。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数などが大幅高となったこともあり、東京市場でも半導体関連を中心に買いが入り、日経平均は606.60円高と心理的な節目の29000円を回復。
しかし、週末は一転して520.64円安と大幅反落。英国中央銀行が予想外に利上げに動いたこともあり、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢も改めて意識されるなか、前日に急伸した米ハイテク株が急落。これを受け、東京市場でも前日けん引役だったハイテク株が上昇分を帳消しにする格好となった。また、日銀が金融政策決定会合でコロナ禍での資金繰り支援策の縮小を決めたことも弱材料視された。
今週の日経平均は一進一退か。今年最後の注目イベントだったFOMCを通過した。ただ、海外投資家がクリスマス休暇入りするなか、薄商いでボラティリティーが高まる可能性があるため、注意したい。経済指標や企業の決算発表が少ないこともあり、米長期金利や為替を睨みながら、米株市場の動きに神経質な展開となりそうだ。