投資情報会社・フィスコが12月20日~12月24日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和の縮小ペースを加速させる方針であり、この影響で長期金利が再上昇した場合、ドル買い・円売りが縮小する可能性は低いとみられる。ただ、主要中央銀行の金融政策発表などの重要イベントの通過に伴い、リスク選好的なドル買い・円売りは徐々に縮小する見通し。
米連邦公開市場委員会(FOMC)来年の金利見通しによると、早ければ6月から3回の利上げが想定されていることがわかった。また、英中央銀行金融政策委員会(MPC)は予想外の利上げに踏み切り、欧州中央銀行(ECB)理事会はパンデミック特別購入プログラム(PEPP)の終了を決めた。ただ、英国や欧州などで新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大が報告されており、英国や欧州経済に悪影響を及ぼすとの懸念が高まっている。そのため、ポンド、ユーロに対するドル買いが大幅に縮小する可能性は低いとみられる。
しかしながら、ドル円に関しては114円台半ばから115円近辺の水準で顧客筋や短期筋のドル売りが増えると予想されており、新たなドル買い・円売りの材料が提供されない場合、年末前にリスク選好的なドル買い・円売りは縮小し、ドルの上値は次第に重くなる可能性がある。海外のインフレ高進の影響で日本の消費者物価は2022年半ば頃にかけて上昇する可能性があることもドル上昇を抑える一因となりそうだ。
【米・7-9月期国内総生産(GDP)確定値】(22日発表予定)
22日発表の米7-9月期GDP確定値は前期比年率+2.1%と、改定値から横ばいの見通し。足元で発表された経済指標は堅調な内容が目立ち、上方修正された場合、景気回復を好感した円売りが見込まれる。
【米・11月PCEコア価格指数】(23日発表予定)
23日発表の米11月PCEコア価格指数は、さらに上昇するか注視される。10月は+4.1%と高水準を維持しており、さらに伸びが示されればFRBによる引き締め前倒し観測からドル買い方向に振れやすい。