かつて国税庁が発表していた「長者番付」は、所得税額1000万円を超える納税者の名簿を公示する制度で、これに基づいて高額納税者の順位が明らかになった。個人情報保護や犯罪抑止などの観点から2005年(2004年分)の発表を最後に長者番付は廃止された。
現代の「億万長者」とはどんな人たちなのか。そこで上場企業約4000社の決算書や大株主の情報などを整理する企業価値検索サービス「Ullet(ユーレット)」の協力のもと、上場企業の有価証券報告書から個人の大株主を抽出、保有株の時価総額の上位100人をランキングにした。トップに輝くのは、4.9兆円でソフトバンクグループ社長・孫正義氏。2.4兆円で2位につけたのは、ファーストリテイリング社長・柳井正氏だった。
日本の富裕層たちは有り余るカネを何に使っているのか――。彼らは「趣味」もケタ違いだ。代表的なのが、高度420kmで地球を周回するISS(国際宇宙ステーション)に行ってしまったZOZO創業者・前澤友作氏(18位)。「宇宙旅行の費用は100億円以上」と公言する前澤氏は超高級車のコレクターでもあり、織部焼をモチーフにした3億円のロールス・ロイスを購入したことでも話題を呼んだ。
ニトリホールディングス会長・似鳥昭雄氏(44位)は「カラオケ」が十八番。銀座の高級クラブ「由美」の由美ママが語る。
「似鳥会長は歌が大好きで、川中美幸さんとデュエットしたCDをリリースしたほど。お店にいらしたらニトリのサービス券をみんなに配ったり、60インチの液晶画面でご自身登場の曲を歌われます。コロナ前は財界の方々と、お店でカラオケ大会もしていました」
投資の対象でもある「ワイン」にこだわる大富豪も多い。ランキング1位のソフトバンクグループ社長・孫正義氏もそのひとりだ。
「孫さんは以前、仏ボルドーの5大シャトーのひとつ、シャトームートン・ロートシルトの1979年のヴィンテージを開けてくれたこともあります。アメリカでソフトウェア会社を設立した記念の年だそうです」(由美ママ)