アフリカでは木製の歯ブラシも使われている（南スーダンの女性。Getty Images）
小刻みな振動で唇や鼻がかゆくなった
電動歯ブラシの使い勝手が、自身の予想と違って「相性が悪かった」という人もいる。人材紹会社に勤務する20代女性・Bさんだ。
「実家にいる時に、親が電動歯ブラシを使っていて、子どもながらに、なんだか『大人が使うもの』という謎の憧れがありました。そこで社会人になってから、一人暮らしを始めた際の記念品として購入しました」（Bさん）
満を持した“電動歯ブラシデビュー”だったが、感激よりも落胆の方が大きかったそうだ。
「ワクワク感いっぱいで口の中に入れたのですが、小刻みな振動に唇や鼻がかゆい感じで気持ち悪くなってしまいました。歯並びが悪い部分では、唾液で液体化した歯磨き粉が飛び散ることが常で、磨き残しも多いんじゃないかと不安になることも。その後も何回か使用しましたが、歯茎にもすごい負担かかるような気がして、私には合わないかもしれないと思い、手動に戻しました。お金がもったいなかったな、と思いますが、使ってみないとわからない。勉強代だと思っています」（Bさん）
潔癖症で衛生面が気になって…
「自分はちょっと潔癖症なところがあるのですが、逆にそれが合わなかった原因かもしれません」というのは、PR代理店に勤務する20代男性・Cさんだ。Cさんは、同僚の勧めから電動歯ブラシを購入。当初は満足していたが、結果的に手動の歯ブラシに出戻りしてしまった。
「最初は使用感に満足していましたが、次第に電動歯ブラシの衛生面が気になってしまって、特にカビが怖くてブラシを漂白剤につけてお手入れしていました。私が買った電動歯ブラシには、『替えブラシは5本入り4000円くらいのものを購入し、付け替えること』とされていましたが、僕はそれよりもマメに替えていましたね。
最終的に本体とブラシの接続部分の汚れも気になり、本体ごと買い替えたい気持ちが強くなってしまいました。そうこうしているうちに、『もはや安い普通の歯ブラシを頻繁に買い替えて使う方が、衛生面も金銭面も安心できるのでは』と考えるようになり、結局、手動の歯ブラシに出戻りです」（Cさん）
いずれのユーザーも電動歯ブラシの効果に期待していた分、落胆も大きかったようだ。電動歯ブラシも使い方を間違えると害になるし、人によってはそもそも合わない、ということもある。使ってみないことにはわからないことは少なくないようだ。
