パソコンやスマホ、タブレット……。複数の端末から動画を気軽に見られる時代になり、視聴デバイスの選択肢はますます広がっている。ゲームプレイ用途のイメージが強い「携帯ゲーム機」もその一つだ。最近では、「ABEMA(アベマ)」が、「Nintendo Switch」で視聴が可能になったばかり。手軽に動画を見るならスマホを選ぶ人は多いだろうが、特に若い世代の中には、あえて携帯ゲーム機で見るの人たちも少なくないようだ。そこには、どういった事情があるのだろうか。
昔はPS Vita、今はSwitchで「ニコ動」視聴
「PlayStation Vita」で「ニコニコ動画」を見ていたというのは、IT企業に勤める30代男性・Aさん。約2年前までPlayStation Vitaが大活躍していた。
「約2年半前、PlayStation Vitaでのアプリサービスが終了してしまい、見られなくなってしまいました。それまでは『ニコ動再生機』として使っていましたね。5インチくらいの画面サイズ感がちょうど良くてお気に入りでした。ニコニコ動画系のアプリの中では操作感が優れ、画質も良かっただけに終了したのは惜しかった」(Aさん)
画面サイズやアプリの使い勝手だけではない。携帯ゲーム機をモニターとして使いたい事情もあるようだ。
「スマホで何かしながらニコニコ動画とかYouTubeを見たい。だいたいスマホゲームをプレイしながら動画を見ることが多いので、スマホだけでは画面が足りない。だからといって追加でタブレット端末を買うと、オーバースペックで宝の持ち腐れになりかねない。それなら、ゲーム機として使っていたPlayStation Vitaを“モニター”として利用すればいいと考えたんです。当時、使っていたスマホより画面サイズが少し大きくて、寝ながら見られて最高でした」(Aさん)
PlayStation Vitaアプリ無き後、現在は「Nintendo Switch Lite」がその代役を務めている。Aさんは満足している様子だ。
「Nintendo Switch Liteの画面サイズがPlayStation Vitaに近いので、思わず買ってしまいました。ゲーム機としても利用していますが、8割くらいは動画視聴です。Switch版のニコニコ動画のアプリは、プレミアム会員じゃなくてもスマホより重くなく、広告もないので快適。逆にスマホやPCから見る理由が見つかりません」(Aさん)