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【相続】税制改正に要注意 生前贈与や不動産登記の対策を急ぐべき理由

税制改正で今までの相続対策が通用しなくなる?(イラスト/白ふくろう舎)

税制改正で今までの相続対策が通用しなくなる?(イラスト/白ふくろう舎)

 年の瀬にお金を使い、一年の始まりに「今年こそは」と節約や貯蓄を誓う人は少なくないはず。2022年は、貯蓄ベタな人に心強い制度変更や新制度が目白押し。奇しくもこれまでのコロナ禍で、給付金や助成金も受け取りやすくなったが、その一方で「相続」における制度変更には注意が必要だ。2022年以降は、相続税の対象が広げられる可能性が高い。

 現時点での相続税対策といえば「年間110万円までの生前贈与」が定番だ。だが、2020年12月に発表された「令和3年度税制改正大綱」で、この生前贈与の非課税枠は実質的に廃止、または縮小される見込みとなっている。

 なかでも注意したいのは、すでに生前贈与したもの。現在は、亡くなる3年前までに生前贈与した分が相続財産扱いとなり、相続税が課税される。これが、亡くなる10~15年前までさかのぼって課税対象にする検討が進んでいる。

 また、「教育資金は1500万円まで」「結婚・子育て資金は1000万円まで」といった、現行の贈与税の非課税枠もなくなるかもしれない。弁護士でベリーベスト法律事務所の石山幸由理さんが言う。

「令和4年度こそ見送りになりましたが、令和5年度に改正される可能性は否定できません。最悪の事態を想定して、いまのうちから準備することをおすすめします」

 一方で「相続時の精算課税制度」は残る見込みとされる。相続実務士で夢相続代表の曽根恵子さんが解説する。

「現在、60才以上の父母や祖父母が子や孫に生前贈与すると、2500万円までは非課税となりますが、贈与した父母や祖父母が亡くなると“遺産の先渡し”と見なされて、相続税が課税されます。

 課税が先送りされるだけなので、結局節税にはつながらないのです。高齢になったり、病気になったりしてから慌てて生前贈与しても“相続税逃れ”ができないようにするためのものでしょう」

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