ビタミンやミネラルが豊富な「オートミール」が人気だ。インテージが調査した「2021年、売れたものランキング」によると、2021年1~10月のオートミールの推定販売金額は前年比291%となり、数ある日用消費財の中で伸び率1位を記録。日本の食卓でオートミールの存在感が増していることがうかがえるが、その波に乗り遅れまいと挑戦したにもかかわらず、早くも挫折してしまった人たちもいるようだ。当事者たちに体験談を聞いてみた。
「やっぱりお米の方がいい」
メーカーに勤務する30代男性・Aさんは、コロナ禍で体重が増加。ダイエット方法を模索する中、オートミールに出会った。
「ネットでよく見かけるようになったオートミールに注目しました。お米のような感覚で食べられるし、お米よりカロリーや糖質が控えめという点も魅力的。何よりコスパが良さそうと思ったのも決め手でした。安いオートミールだと500gで160円前後、1人前30gくらいなので1食16円。栄養面も価格もばっちり、これはオートミールを導入するしかないと思いました」(Aさん)
AさんはネットやYouTubeを参考にしてアレンジ料理にも挑戦したという。
「個人的にお茶漬け風のアレンジが一番好きでした。顆粒のだしをベースに、塩昆布やネギを加えて食べるとおいしかった。ドロドロにしないで、お米に見立てて具材を入れておにぎりにしたこともありました。こちらも良かったです」(Aさん)
一見、順調に見えたAさんのオートミール生活だが、長く続くことはなった。その要因として、「食べ応えがなかったこと」が大きかったという。
「食べ応えがイマイチなのが欠点でした。その分量を食べてしまうので、結局はかなりのカロリーを摂取してしまう。しかも私の場合、多めに食べるとお腹をくだしがちになるうえに、おならも頻繁に出る羽目に……。そんな中、ある時我慢していたお寿司を食べたら、米のおいしさに感動して、もうオートミールに戻れませんでした(苦笑)」(Aさん)
周囲の“オートミール信仰”に「疲れた」
職場の同僚やSNSで勧められたが、長続きしなかった人もいる。IT企業で働く20代女性・Bさんは、オートミールそのものはそれなりに好きだったという。
「アレンジ料理は結構頑張っていました。アーモンドミルクに一晩ひたし、フルーツをトッピングしたオーバーナイトオーツ。小麦粉なしのお好み焼き、お米を使わないきのこリゾット、オートミールにおからパウダーとベーキングパウダーなどで作った蒸しパン。味はおいしいものもあれば、あまりおいしくないものもある感じ。当たりハズレが大きく、飽きがくるのも早くなりがちでした」(Bさん)