コロナ前とコロナ後で異なる評価
ターミナル駅の池袋から40~50分かかる上、そこからさらにバスに乗り換える必要があり、開発されたのは30年も前で、人口は減少傾向──コロナ前であれば、鳩山町を積極的に推す理由を導き出すのは難しかったかもしれません。ニュータウンの整った環境は魅力的ですが、どうしても経年劣化は否めないもの。“新しくないニュータウン”に住むことを敬遠する向きもあるかもしれません。
しかしコロナ禍で社会状況が一変した今なら、検討の余地はありそうです。都内まで片道1時間半の通勤も、週に1~2回なら許容範囲でしょうし、1000万円を切る価格で、立派な中古の一軒家が手に入ります。土いじりをしたり、ペットを広々とした場所で散歩させたり、釣りをしたりと、優雅な趣味が楽しめますし、近隣はゴルフ場も多いので、ゴルフ好きには夢のような環境です。
首都圏にはバブル期前後に出来たニュータウンが多数ありますが、鳩山NTの完成度の高さは指折りで、東急や小田急沿線の閑静な住宅街にも引けを取りません。整った環境、都心までの距離、物件の安さを総合的に考えれば、興味を惹かれる方はいるでしょう。
惜しむらくは大きな街が近くにないことでしょうか。都内から20~30km圏には、横浜、立川、町田、柏、船橋、大宮など、“都心まで行かなくても用が済む街”がありますが、東武東上線の場合、めぼしい駅は川越ぐらい。街の規模ではやや見劣りするため、池袋まで出ることになりそうです。郊外型の巨大ショッピングモールまでも距離はあります。日常の買い物に不便を感じるようなことはありませんが、刺激に乏しいと感じる人はいるかもしれません。