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ソニーがEV市場に本格参入 目指すは「移動空間をエンタメ空間に進化」

異業種からの参入となるソニーはどう差別化を狙うか(写真はソニーのコンセプトカー「VISION-S」。Pentapress/時事)

異業種からの参入となるソニーはどう差別化を狙うか(写真はソニーのコンセプトカー「VISION-S」。Pentapress/時事)

 1月4日(現地時間)、ソニーグループは電気自動車(EV)の新会社「ソニーモビリティ」を今年春に設立し、「EVの市場投入を本格的に検討していく」(吉田憲一郎社長)と発表した。ソニーはすでに2020年に最初のEV試作車を発表しているが、これまで量産化には否定的だった。それが一転、EVへの本格参入の方針を掲げたのである。

 一方、本家の自動車業界でも世界首位のトヨタ自動車は昨年12月、16車種のEVを同時発表し、生産設備や開発に4兆円を投じて2030年に世界で350万台のEVを販売するとぶち上げている。

 異業種からの参入をめざすソニーのEVは、電池とプラットフォーム(車体骨格部分)に注力し走りを追求するトヨタとは“別物”になりそうだ。ソニーグループ広報部によると、同社が開発するEVとはこんな発想だ。

「安心・快適な移動空間をもたらすセーフティと、クラウドと連携し進化を続けるアダプタビリティ(柔軟な適応力)で快適な感動空間を実現する。そうしたEVで、移動空間をエンタテインメント空間に進化させることを目指しています」

 ソニーはスマホ用のイメージセンサー(画像センサー)で世界シェア5割を誇り、車載用は後発ながら今年発表したEV試作車には約40個のセンサーが搭載されている。経済ジャーナリスト・福田俊之氏はこう語る。

「運転面ではそのセンサーとAI(人工知能)で人間の目で捉えきれない危険の予兆も感知するそうです。また次世代の車を買うのはソニーのゲーム機で育った世代だから、移動空間をエンタメ空間にするという方向性に興味を持つ可能性がある。

 ソフトの更新を通じて5~10年にわたって車を進化させれば、販売後も顧客から継続的に収益をあげるビジネスモデルに繋がります。ソニーは車の本体より車載ソフトを重視し、『ソニーのソフトを搭載した車でないと買わない』というところを目指しているのではないか」

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