しかし、抗弁の接続があるのは、クレジットカードの利用が「購入してから2か月以内に利用者の立替金の支払期日が来ない支払条件であること」が必要です。つまり、クレジットカードのショッピング利用が分割払いや毎月定額支払いのリボ払いの場合は抗弁の接続がありますが、通常の1回払いのショッピングだと大抵購入してから2か月以内に支払日が来ることになっており、この制度は利用できません。
ただ、クレジット会社の規約に、ショッピングのときに1回払いとしても、一定の期日までに支払区分を変更できると定めている場合があります。その場合は、その会社の指定する方法で、支払区分をリボ払いなどに変更することで抗弁の接続を利用できると考えられます。クレジット会社に事情を話して相談することをおすすめします。
また、同様の被害者がたくさんいれば、業者がクレジット会社からの支払いを受け入れていた銀行口座は詐欺に使われた犯罪利用預金口座になる可能性もあり、預金が残っていればそこからの回収も可能です。消費者センターに相談するとともに警察にも被害届を出すことをおすすめします。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2022年2月3日号