投資情報会社・フィスコが1月24日~1月28日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米国経済は足元の低調な指標で足踏み状態となっているが、1月25-26日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、金融引き締め姿勢を打ち出すとみられ、ドルは売りづらいだろう。今月14日に発表された米国の小売売上高はマイナスへ転じており、18日発表の1月NY連銀製造業景気指数は予想外のマイナスとなった。年末年始を挟んで好調だった米国株式はさえない動きを続けており、株安を受けたリスク回避の円買いが観測されている。
ただ、インフレ指標が記録的な高水準となるなか、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は再任に関する議会での公聴会に出席し、インフレ抑制に意欲を示した。副議長に就任予定のブレイナード理事もハト派的な見解を引っ込め引き締めスタンスを鮮明にしている。そのため、米インフレ指標の高水準を背景にFRBによる金融正常化への期待感で3月以降、3回の利上げは前倒しへの思惑が広がる。1月25-26日のFOMC会合後に発表される声明で利上げ推進やバランスシートの縮小について前向きな見解が表明された場合、リスク選好的なドル買いが再び強まる可能性がある。
【FOMC】(25-26日開催)
FRBは1月25-26日、FOMCを開催し、現行の政策金利を維持する公算。声明で堅調な経済指標を背景に早期利上げの必要性について言及した場合、金利高・ドル高の地合いが予想される。
【米・10-12月期国内総生産(GDP)速報値】(27日発表予定)
27日発表の米10-12月期GDP速報値は前期比年率+6.0%と、7-9月期の+2.3%から大幅な改善が予想される。高成長を好感した株高で円売りのほか、引き締め加速期待のドル買いが見込まれる。