そうした急成長企業が次々に生まれれば、日本経済は活性化していく。
グロース市場には別の可能性もある。メルカリとは逆に、現在1部上場の製薬メーカー・大正製薬HD(時価総額約4500億円)はプライム市場移行の基準を満たしているが、スタンダード市場を選んだ。経済アナリストの馬渕磨理子氏が語る。
「グロース市場に区分される新興企業の経営者の何人かに話を聞くと『中長期的にプライム市場を目指したい』という声は多い。
一方で、グロース市場には高成長企業が集まる市場としての発展も予想されます。米国ではITなどの新興企業が集まるNASDAQ(ナスダック)市場がニューヨーク証券取引所に匹敵する規模に成長した。そこまで評価が高まるかはともかく、日本でもグローバルな事業展開を目指す企業はプライム市場を目指し、高い成長が期待できる企業はグロース市場、安定企業はスタンダード市場という棲み分けが進みながら市場が成長していくのではないか」
※週刊ポスト2022年2月4日号