東京証券取引所(東証)は現在の1部、2部、ジャスダック、マザーズの4市場を「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編する。最上位の「プライム市場」は流通株式時価総額100億円以上の企業で社外取締役を3分の1以上選任するなどガバナンスの面でも厳しい条件がある。
プライム市場にはコロナ下でも業績絶好調のトヨタ自動車、ソニーグループをはじめ、キーエンス、NTTや東京エレクトロン、リクルートHD、ソフトバンクグループ、伊藤忠商事、三菱商事など大手商社、三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンク、日本電産、武田薬品工業といった日本を代表する企業が名を連ねる。プライム市場創設で、外国人投資家が投資しやすい環境になることが期待されている。
だが、プライム市場で株価上昇が期待されるのは、大手企業ばかりではない。経済アナリストの馬渕磨理子氏が語る。
「上場基準に未達ながら経過措置によりプライム上場を果たした中堅企業の中には、優良な経営計画を打ち出したところがあります。こうした企業が国内外の投資家から評価されて、株価上昇につながることが期待できます」
中でも複数の専門家が注目するのはプラント解体工事マネジメントのベステラ。
「高度成長期に建設された古いインフラ設備などのリプレイス技術に強みがある。岸田政権の掲げる国土強靭化政策も好材料です」(カブ知恵代表の藤井英敏氏)
世界的な半導体不足を商機にする企業も強い。マーケットアナリストの平野憲一氏が語る。
「半導体・電子部品専門商社のグローセルは、自社ブランドの半導体ひずみセンサーを開発。急拡大が予想される自動車の自動運転化・電気化における需要拡大が見込まれます」
「韓国のサムスン電子に特化した半導体商社・トーメンデバイスも半導体の旺盛な需要により、大幅な増収増益となる見通しです」(前出・藤井氏)