セキュリティ事業などのトビラシステムズは、コロナ禍の防犯意識の高まりで好調が続く。
「迷惑電話番号を自動的に拒否・警告するシステムを開発して注目された。同社の株は個人投資家が9割保有するが、プライム上場で機関投資家による買いが進む可能性がある」(同前)
現在の流通株式時価総額がプライム市場の求める上場基準に大きく届いていない企業ほど、それを満たすために業績改善や株主還元など株価向上のための企業努力を重ねることになるため、大きい「伸びしろ」が期待できるとの見方もある。
「プリント基板事業のピーバンドットコムは上場維持のため現在の時価総額20億円を100億円にする必要がある。乱暴にいえば、同社は株価を5倍にするために必死で努力を重ねるわけです。過去に東証1部に上場する際、プリント基板をネット注文で完結する独自のビジネスモデルで人気化した銘柄だけに、上場維持に向けた積極的な取り組みで再び人気を集める期待感があります」(前出・馬渕氏)
藤井氏もプライム上場による株価のジャンプアップ効果を期待する。
「ネット型リユース事業のマーケットエンタープライズや、サーバープラットフォーム事業のLink-Uが上場基準を満たすには、現在の株価の2~4倍が必要です。逆に言えば、それだけ積極的に事業を拡大していくと期待できるのです」
建材や物流資材などを扱う商社の高島は、経営計画の評価が高い。
「上場基準を満たすための経営計画の中身が非常に充実しており、今後の躍進が期待できる」(前出・馬渕氏)